中小建設業のICT導入ロードマップ!「杭ナビ」から始めるスモールスタート4つのフェーズ


「ICT化、興味はあるけど何から手をつければいいかわからない。」

「高い機材を買って使いこなせなかったら…と思うと、なかなか踏み出せない。」

こんな悩みを抱えている経営者や現場監督、本当に多いと思います。

大手ゼネコンがICT建機やドローンを当たり前のように使っているニュースを見るたびに、「うちには関係ない話だな」と感じてしまう——その気持ち、正直よくわかります。

でも、実際に導入してみてはっきりわかったことがあります。

ICT化は、フェーズを踏んで順番通りに進めれば、中小規模の会社でも必ずできる。

この記事では、うちの会社が実際に歩んできた4つのフェーズを整理してお伝えします。

「明日からフェーズ1を始めよう」と思ってもらえたら嬉しいです。


目次

ICT導入を成功させる「お金とマインド」の話

ケン(若手社員)

社長、ICT化って結局お金がかかりますよね。中小企業には厳しくないですか?

社長

確かにタダじゃない。
でも、俺がICT化に踏み切ったときの考え方はシンプルだった。
「これから確実にデジタル化が進む。結果的に失敗したとしても、やる前から諦めるより、まずはICT化がどういうものか知っておきたい!」
それだけだ。

ケン(若手社員)

失敗してもいい、という覚悟で始めたんですね。

社長

そう。それに、IT導入補助金という国の補助制度も活用した。
全額自腹じゃなくていい方法を先に調べるのも、経営者の仕事だぞ。

ICT化で一番大事なのは「完璧な計画」ではなく、「まず知る」という姿勢です。

高額な機材を一気に揃えようとするから怖くなる。最初から全部やろうとするから失敗する。

スモールスタートで始めて、現場に馴染ませながら少しずつ次のフェーズへ——この順番を守ることが、ICT化成功の唯一のコツです。

IT導入補助金をはじめとした補助制度も積極的に活用して、まずは一歩を踏み出してみてください。


フェーズ1【入門編】:まず「ワンマン測量」を手に入れる ―杭ナビの導入―

ケン(若手社員)

ICT化の最初の一歩って、何がおすすめですか?

社長

うちが最初にやったのは「杭ナビ」の導入だ。
以前はトータルステーションとプリズムを使って、測量に必ず2人必要だっただろ?

ケン(若手社員)

はい、1人では絶対無理でしたよね。

社長

杭ナビを使えば、それが1人でできるようになる。「ワンマン測量」だ。人手が少ない中小企業にとって、これは本当に大きい。
しかも2人で使えば、丁張のスピードが劇的に上がる。

ケン(若手社員)

最初から順調にいったんですか?

社長

全然(笑)。
最初はベテランから「精度は大丈夫なのか?」「使い方を確認しながらだと逆に時間がかかる」って散々言われた。

ケン(若手社員)

どうやって乗り越えたんですか?

社長

機能を絞ったんだ。「位置と高さを出すだけ」——この基本操作に的を絞って、まずそれだけ覚えてもらった。
機能が多すぎると人は拒絶する。
最小限から始めたら、気づいたら現場にすっかり浸透してたぞ。

フェーズ1でできること

杭ナビはスマホ・タブレットと連動するトータルステーションです。

データを端末に入れておけば、画面の指示に従って一人で杭の位置・高さ出し(丁張)ができます。

  • 従来2人必要だった測量が1人でこなせる
  • 2人いれば丁張スピードが劇的に向上する
  • 操作をシンプルに絞ることで、ベテランにも浸透しやすい
  • 比較的低コストでICT化の第一歩を踏み出せる

導入の際は、いきなり全機能を使おうとしないこと。

「これだけ覚えれば使える」という最小操作から始めるのが、現場浸透の鍵です。


フェーズ2【データ活用編】:3Dデータを「武器」にする ―設計ソフト導入と高度な測量―

ケン(若手社員)

フェーズ1で杭ナビに慣れたら、次は何をするんですか?

社長

次は「データを作る力」を手に入れるフェーズだ。
3D設計データ作成ソフトを導入して、現場で使える3Dモデルを自分たちで作れるようにする。

ケン(若手社員)

3Dデータって、作るのが難しそうで…。

社長

最初はそう思う。でも一度覚えたら、測量の世界が全然変わるぞ。
例えば「どこでも丁張(建設システム)」というシステムを使えば、3Dデータを活用してより高度で効率的な測量ができるようになる。
丁張の精度も上がるし、何より「データで現場を管理する」感覚が身についてくる。

ケン(若手社員)

フェーズ1との違いは何ですか?

社長

フェーズ1は「道具を使う」段階。
フェーズ2は「データを作って活用する」段階だな。
ここで初めて、ICTが現場の武器になってくる感覚が出てくるぞ。

フェーズ2でできること

3D設計データ作成ソフトを導入することで、設計図面を3Dモデルとして現場で扱えるようになります。

「どこでも丁張」などのシステムと組み合わせれば、3Dデータをもとにした高精度・高効率な測量が実現します。

  • 設計データの3D化で測量精度がさらに向上する
  • 「どこでも丁張」などを活用した効率的な施工管理が可能になる
  • フェーズ3・4への土台となる「データを作る力」が身につく

フェーズ2で作った3Dデータは、この後のフェーズ3・4でそのまま活用します。

ここで質の高いデータを作る習慣をつけておくことが、後のフェーズの成功につながります。


フェーズ3【重機連携編】:重機が「設計面を知っている」世界へ ―杭ナビショベル・GNSS建機の導入―

ケン(若手社員)

フェーズ2で作った3Dデータって、次はどう使うんですか?

社長

いよいよ重機に食わせる番だ。
フェーズ2で作ったデータを重機に連携させて、丁張なしで施工できるようにする——これがフェーズ3だ。

ケン(若手社員)

丁張なし!?それって本当に大丈夫なんですか?

社長

大丈夫だ。「杭ナビショベル」や「GNSSのマシンコントロール(MC)・マシンガイダンス(MG)建機」を使えば、重機の刃先位置をリアルタイムで把握しながら施工できる。
オペレーターがモニターを見ながら「今どこを掘っているか」「設計面まであと何センチか」を確認しながら動かせるんだ。

ケン(若手社員)

熟練じゃなくても、精度が出せるようになるんですね。

社長

そういうことだ。ベテランオペレーターの技術と勘に頼っていた部分が、データでサポートされる。これが「丁張レス施工」の強みだぞ。

フェーズ3でできること

フェーズ2で作成した3D設計データを重機に連携させることで、施工の精度と効率が一気に向上します。

  • 杭ナビショベル:杭ナビの技術を応用し、ショベルの刃先位置をリアルタイムで確認しながら施工できる
  • マシンコントロール(MC):設計面に合わせて刃先の動きを自動制御。より高精度な施工が可能
  • マシンガイダンス(MG):刃先の位置をモニターに表示してオペレーターをガイド。MCより導入コストが抑えられる
  • 丁張の設置・撤去が不要になり、工程がシンプルになる
  • 熟練オペレーター不足の現場でも、高い施工精度を維持できる

フェーズ4【フルICT編】:現場を「丸ごと3D」で記録する ―ドローン・地上型レーザースキャナーの導入―

ケン(若手社員)

フェーズ4まで来たら、もう完全ICT化ですね。何が変わるんですか?

社長

ここまで来ると、現場全体を「面」で記録・管理できるようになる。
ドローンや地上型レーザースキャナー(TLS)を使って、広範囲の3D点群データを取得するフェーズだ。

ケン(若手社員)

点群データって何ですか?

社長

現場を無数の点で記録したデータだと思えばいい。
数百万点のデータが集まることで、現場の地形や構造物の形を丸ごと3Dで再現できる。これを使って「起工測量」や「出来形測量」を行うんだ。

ケン(若手社員)

出来形管理が、人が巻き尺で測る作業じゃなくなるんですね。

社長

そうだ。
しかも「データで証明できる」から、発注者への説明も格段に楽になる。
「なんとなく合ってると思います」から「データで証明できます」に変わる。これは信頼につながるぞ。

フェーズ4でできること

ドローン測量:工事着手前の起工測量から、施工中・完成後の出来形管理まで、広範囲を短時間で3D化できます。

地上型レーザースキャナー(TLS):ドローンが苦手な狭い場所・屋内・樹木が多いエリアでの計測をカバー。レーザーを四方に照射し、高精度な3D点群データを取得します。

  • 起工測量・出来形測量がデータで完結する
  • 発注者への説明がデータで証明できるようになる
  • 現場の「見える化」が完成し、施工管理の質が根本から変わる
  • フェーズ1〜3で培ったデータ活用の力が、ここで最大限に発揮される

フェーズ4もICT建機と同様に導入コストも高く、100%使いこなすには習熟が必要です。

焦らずフェーズ1から積み上げた会社だけが、自然にここに辿り着けます。


まとめ:ICT化は「順番」が全て

ケン(若手社員)

4つのフェーズを整理して聞いたら、なんか「僕もできそう」って思えてきました。

社長

それが大事なんだ。ICT化は一気にやるものじゃない。
フェーズ1から始めて、現場が慣れたら次へ進む。
その積み重ねが、3年後・5年後に大きな差になる。
躊躇い続けた会社と、一歩踏み出した会社では、必ず差が出てくるぞ。

ケン(若手社員)

まず明日から、杭ナビを使ってみようと思います。

社長

それでいい。千里の道も一歩から。
まず知って、試して、現場に馴染ませる。それだけでいいんだ。

4つのフェーズをおさらいします。

フェーズ内容まず何をする?
フェーズ1【入門編】杭ナビでワンマン測量を実現1台導入して基本操作を覚える
フェーズ2【データ活用編】3D設計データ作成・高度な測量ソフトを導入してデータを作る力をつける
フェーズ3【重機連携編】ICT建機で丁張レス施工を実現フェーズ2のデータを重機に連携させる
フェーズ4【フルICT編】ドローン・TLSで現場を丸ごと3D化起工・出来形測量をデータで完結させる

ICT化に「いきなり完璧」は必要ありません。「まず知る・まず試す」——それだけで十分な第一歩になります。

次回以降の記事では、各フェーズをさらに深掘りしていきます。杭ナビの具体的な操作方法・IT導入補助金の活用方法・3Dデータの作り方——それぞれ詳しく解説していく予定ですので、ぜひ引き続きチェックしてみてください!

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