【ICT導入フェーズ1-前編】杭ナビ導入で測量が変わった!現場のリアルと使いこなしのコツを徹底解説


「測量したいのに、2人のタイミングが合わない。」 「人手が足りなくて、現場の段取りが組めない。」

こんな悩みを抱えている中小建設業の方、多いんじゃないでしょうか。

うちの会社もそうでした。測量は基本2人必要。

でも限られた労働力の中で、2人のタイミングを合わせるのが思いのほか難しい。

そのせいで測量が進まず、工程が詰まってしまうことも一度や二度じゃありませんでした。

そこで導入を決めたのが「杭ナビ」です。

この記事では、実際に使ってきた経験をもとに、導入前の不安・現場への浸透方法・使いこなしのコツ・注意点まで、包み隠さずお伝えします。


目次

導入のきっかけ:「物は試し」の一言

ケン(若手社員)

社長、杭ナビを導入しようと思ったのはなぜですか?

社長

ワンマンで測量できる機械があると聞いて、物は試しと思ってな。

測量は基本2人必要——それが長年の当たり前でした。

でも労働力が限られている中小企業では、2人のタイミングを合わせること自体が一苦労です。

測量が進まないせいで、他の作業まで止まってしまうことがありました。

「1人で測量できるなら、この悩みが解決する。」それだけの理由で、まず試してみることにしました。

結果は予想以上でした。

ワンマンでも使えましたが、2人で使ったときの効果が特に絶大で、最初こそ使い方の確認に時間はかかったものの、慣れたら以前の2倍以上のスピードで測量ができるようになりました。

空いた時間を他の作業に回せるようになったのは、現場全体の余裕につながりました。


導入前の不安:精度・金額・使いこなせるか

ケン(若手社員)

購入前に不安はなかったですか?

社長

正直あった。精度・金額・使いこなせるかどうか、全部不安だったぞ。

導入前に感じた不安は大きく3つありました。

① 精度は本当に大丈夫か 一番の心配がこれでした。実際に使ってみると、位置も高さも従来の測量方法とほとんど差は見られませんでした。「精度の問題」は、使ってみて初めて払拭できた不安です。

② 金額が安くない 杭ナビは決して安い買い物ではありません。当時はまだ登場してすぐで評価も少なく、「本当に元が取れるのか」という不安もありました。

③ 使いこなせるかどうか 機械の操作に慣れていない社員でも使えるのか——これも導入前の大きな懸念でした。

IT導入補助金など、使える補助制度を事前に調べておくと金額面の不安が和らぎます。
「高くて無理」と諦める前に、まず補助金を確認することをおすすめします。


杭ナビの基本的な仕組みと「ここが便利」

ケン(若手社員)

実際に使ってみて、一番便利だと感じたのはどこですか?

社長

まず据え付けが超簡単。電源を入れるだけで自動で水平になってくれるんだ。

従来のTSは水平を手動で合わせる必要がありましたが、杭ナビは電源オンで自動整準。現場でのセットアップが格段にラクになりました。

もう一つの大きな強みが、位置と高さが同時に計測できる点です。

ケン(若手社員)

高さはオートレベルの方が精度が良いって聞きますが。

社長

確かにそういう声はある。
でも現場で使ってみた感じでは、そこまで気にすることはなかったぞ。

むしろ気になったのは、杭ナビで位置を出して片付けて、オートレベルを出して高さを確認する——この道具の持ち替えによる時間のロスの方でした。

位置と高さを一度に出せる杭ナビの方が、トータルでは効率的です。

ただし、高低差が大きい場合などはオートレベルの方が測量しやすいケースもあります。

適材適所で使い分けることが大切です。


現場への浸透:「ゲーム感覚」から始めた

ケン(若手社員)

ベテランの方への導入は大変でしたか?

社長

最初は「本当に合ってるのか」って声と、「スマホと連携して操作するのが難しそう」って敬遠する人もいたな。

こうした反応は想定内でした。

解決策はシンプルで、まずゲーム感覚で簡単な位置・高さ出しだけをやってもらうところから始めたんです。

「難しいことは後でいい。まずこれだけ。」

この進め方が功を奏して、慣れてきたら徐々に使う機能を増やしていきました。

そうしたら自然と杭ナビが現場に浸透していきました。

ベテラン導入の3つのコツ

コツ①:最初は機能を絞る 位置と高さを出すだけ——この2つに絞ってスタートする。

コツ②:ゲーム感覚で触らせる 「正確にやらないと」というプレッシャーを外して、まず画面の指示に従って動いてもらう。

コツ③:精度を一緒に確認する 従来の方法と比較して「ほぼ同じだ」と実感してもらうことで、信頼に変わります。


【重要】杭ナビの注意点と精度を上げるコツ

ここからは、実際に使ってわかった注意点です。これを知っているかどうかで、精度が大きく変わります。

ケン(若手社員)

使っていて「ここは気をつけないといけない」と感じた点はありますか?

社長

杭ナビは後方交会法で機械の位置を割り出す仕組みだ。
この特性を理解しておかないと、誤差が出やすくなるぞ。

後方交会法とは?

杭ナビは複数の既知点(座標がわかっている基準点)を視準して、自分の機械がどこにいるかを計算する「後方交会法」で位置を割り出します。

この方法には、据え付け方次第で精度が変わるという特性があります。

精度を上げるための4つのポイント

① 既知点との位置関係を二等辺三角形にする 機械点と既知点の配置が二等辺三角形に近くなるように据えると精度が上がります。

② 夾角は90〜120度が理想 機械点から見た各既知点の角度(夾角)が90〜120度になるように配置しましょう。

③ 各既知点との距離をなるべく同じにする 距離のバランスが偏ると誤差が出やすくなります。

④ 毎回できるだけ同じ場所に据える 使用する基準点が同じでも、据え付け位置が変わると誤差が出ることが多いです。現場での測量計画を立てる際は、工事の進捗や構造物の位置を考慮したうえで、機械の位置やベンチマークの設置場所をあらかじめ決めておくことをおすすめします。

精度にこだわるなら「器械点・後視点法」が使えるTSがベターです。
次のセクションで詳しく説明します。


ステップアップ:器械点・後視点法ができる自動追尾TSという選択肢

ケン(若手社員)

杭ナビより精度を求めたい場合はどうすればいいですか?

社長

器械点・後視点法ができる自動追尾タイプのTSという選択肢があるぞ。

杭ナビは後方交会法のみですが、TOPCONのGT-1200シリーズSOKKIAのiX-1200シリーズなどは、器械点・後視点法にも対応した自動追尾タイプのトータルステーションです。

器械点・後視点法は、既知の機械点に据えて後視点を視準する方法で、後方交会法より高い精度が期待できます。

社長

うちの会社でも実際に導入しているが、値段は杭ナビよりさらに上がる。

ケン(若手社員)

最初からこっちを買った方がいいですか?

値段的にも操作的にも、最初は杭ナビからスタートするのがおすすめです。

杭ナビで「デジタルで測量する感覚」を身につけてから、慣れてきたタイミングでの導入を検討するのが現実的な道筋です。


まとめ:一度覚えたら、測量の概念が変わる

ケン(若手社員)

これから導入を迷っている人へ、一言お願いします。

社長

お金はかかる。最初は覚えるのも大変だ。でも一度覚えたら、測量の概念が変わるぞ。

スマホの操作ができる人であれば、知識がなくても位置が出せるくらい使いやすいものです。

これからICTの時代がさらに加速していく中で、杭ナビの導入はICT化の最初のステップとして最適な選択肢だと自信を持っておすすめします。

今回のポイントをおさらいします。

ポイント内容
導入のきっかけ2人のタイミングが合わず測量が進まない問題を解決するため
最大のメリットワンマン測量が可能・2人なら従来比2倍以上のスピード
現場浸透のコツゲーム感覚で簡単な操作から始めて、徐々に機能を広げる
精度を上げるコツ後方交会法の特性を理解し、据え付け位置を計画的に決める
ステップアップ慣れたらGT-1200・iX-1200シリーズへの移行も検討

次回は【ICT導入フェーズ1-後編】快測ナビ・フィールドテラスとは?杭ナビと組み合わせて測量の幅を広げる活用法について詳しく解説します。

引き続きチェックしてみてください!

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